父の夢
今日は久しぶりに父が夢に出てきた。
父から電話。
「おーい、久しぶり。今年の夏はどうだった?」
「いやーどうだったも何も、あっという間だったね〜。しなくちゃいけないこととか計画立ててたのに…」
「ほんとだよな、あっちゅう間だもんなあ」
で、ふとそこで気がつく。…これは夢だ。
気づいた瞬間、夢から覚めつつある脳みそをどうにか抑える。
「人間ってさー、亡くなったら体が朽ちるけど、それでも意識は残るんだね」
「そうだねえ。意識は残って、そこらへんをふわふわしてるね」
「なんか、体の周りをお父さんがぐるぐるしてるもん」
ふふふ、と父の静かな笑い方が聞こえる。
そして、すーっと静かに目が覚めた。
同時に子供も起きていて、すぐ横で寝ていた飼い猫を指差して
(ネコがいるよ!)と言いたげにしている。
父の夢を見たのは久しぶりだ。
2ヶ月ぐらい間があいてんじゃないのかな?
父の夢を見るときはいつも起きる間際だ。で、いつも「これは夢だ」と途中で気づく。気づいた瞬間、眠りから覚めてしまう。その間で少しでも会話するため私はもがく。
体が朽ちる云々の下りは、ここ最近 手塚治虫の 火の鳥 を図書館で借りて見始めたから。
日頃 自分が考えていること… 細胞の中にも宇宙が広がっていて、地球を包む宇宙はただの細胞であって… そういうことが描かれていて、とても面白い。人間は個のようで連続だ。全てが繋がって一つだ。
何年も前から同じことを考えている人はいるのかと思った。そうなるとおそらく、100年前、200年前、300年前…ずっと昔にも同じことを考えていた人はいると思うし、100年後、200年後、300年後…これまた同じことを考える人も出てくると思う。そしてどちらにせよ、堕落と手軽さを求める大勢の人類とその一方でそれを憂う変わり者少数派の人類の意識のせめぎ合いは繰り返されるんだ。何も変わらない人類…何も変わらない歴史…ああいやになる。
でもとにかく、お父さんと久しぶりに話せてよかった。
また夢に出てきてね。